fish.and.worms.lab

在野で魚類に寄生する寄生虫について研究しています。学術的な研究ばかりではなく、魚類やそれに寄り添って生きる動物について、多くの人に興味や関心を持ってもらえるように色々と発信していきたいと考えています。
兵庫県神戸市のレンタルスペースに個人ラボを作りました。生物に興味のあるちびっこや、生物顕微鏡を使って自由研究をしたい中高生、寄生虫に興味があって標本を見てみたい方が来られるようにしています。JR神戸線の駅降りてすぐです!興味がありましたらご連絡下さい。

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乳酸菌とDNA その2

ラボ

先日、開設したラボで行ったお手軽を紹介したところ、読者の方から「TENGAヘルスケアのルーペでも乳酸菌を観察できないでしょうか?」というコメントをいただいたので、さっそく試してみました。

ちなみに、この製品は妊活用品になります。男性が自分の精子が問題がないかを確認するためのものです。ヒトの精子は0.06mmくらいなので、家にあるルーペなどの道具で観察することができません。学校に置いてあるような顕微鏡があれば十分観察できるのですが、安い物でも1万円ちょっとします。自分の精子の状態を知るのは、大事なことではありますが、それだけのために1万円は高すぎます。それを、スマートフォンと簡単なキットで観察できるようにしたものが本製品になります。(ただし、あくまでも簡易的な検査になるので、これだけで自分の精子に異常がないと考えないようにしてください。)

TENGAメンズルーペ|スマホ用精子観察キット
TENGA MEN’S LOUPEなら、スマホを使って自宅で簡単に精子の観察ができます。彼女ができる前に、結婚する前に、今から妊活する前に、自分のカラダを知る第一歩としてお試しください。

私がこの製品に興味をもったのは、簡単なキットとはいえ0.06mmの精子を観察できるだけあって、倍率が550倍もあるためです。これだけの倍率があれば、乳酸菌の粒くらいなら観察ができます。これが乳酸菌の観察に使えれば、顕微鏡がなくても顕微鏡サイズの生物の観察ができるのではないかと期待できます。

値段は、1つ1650円でした。箱を開けると、正方形の採集カップサンプルをすくいとるためのピック(左の鋭角三角形)、スマートフォンに貼り付けるレンズとプレート透明のフィルムのシール(水色の正方形)が入っていました。

採集カップのとってのようなところは、筒状になっており目盛りがついています。精液の量を測定することもできます。

今回は、ヨーグルトの中の乳酸菌を観察するのが目的ですので、採集カップにはヨーグルトを入れます。カップのヨーグルトを採集ピックでとって観察です。

スマートフォンに貼り付けるレンズは、片面は弱い粘着テープになっておりスマートフォンにはりつけます。もう片方は、磁石になっており緑色のプレートとひっつけれます。梱包時は、レンズとプレートがセットになっています。
プレートの穴のところに、透明のフィルムをはります。そのフィルムの上に観察したいものをのせます。あとは、磁石任せ!

観察した結果をお見せする前に、400倍で乳酸菌を観察した時に、乳酸菌がどのように見えるのかを知っておいてください。それをもとに、次の動画を見てください。iPhone14無印を使用しているのですが、写真よりもビデオの方が明るかったので、動画で撮影しました。

視野がとても狭いですが、拡大してみると先ほどの写真の粒のようなものがたくさん流れているのがわかります。たぶん、観察できているのではないでしょうか?手持ちの単生類(1mm)の標本を観察してみたのですが、ほとんど観察できませんでした。視野が狭いのと、調節ネジがないのでピントを合わせることができないのが原因です。フィルムの上にある厚みのないものだけが観察できるといったところです。これまで、スマートフォンのカメラに設置する顕微鏡を買ったことがありますが、精子の検査をするために作られているので、観察までの手順がわかりやすいのがよいです(専用アプリによる案内もあります)。あと、磁石でレンズと標本をのせたプレートをひっつけるなどの工夫がすごい!これらの性能を考えると、池の濁ったところにいるプランクトンの観察などには使えるのではないでしょうか。

今回は、使用しませんでしたが、iPhone専用でアプリでは明るさの調整や写真の記録などもできます(Androidのスマートフォンでも付属のカメラでできるはずです)。春になったので野外調査にも行く機会が増えるので、現地で顕微鏡観察というのができるか、アプリも活用しながらやってみます

実験後には、余ったヨーグルトをいただきました。

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